2年くらい前のカンヌ映画祭で招待作品として上映され
招待客も入りきれないほど話題になったこの作品、やっとこちらでも公開されました。

77年、自分の娘のヌード写真を発表し、児童虐待ではないのかと
大きな議論をよんだイリナ・イオネスコの写真集『鏡の宮殿』。
その娘であり被写体であったエヴァ自身が34年たって監督したのがこの作品。

わたしはこの写真集を観ていませんが、映画の中でのデカダンな撮影風景は
わたしのように薄暗いモノが好きなものにとってはとても興味深いものです。
ナチュラルなものとかほのぼのしたものやかわいいロリ系の人には
合わないかもしれませんが、人形趣味の人にはこの世界好きな人が多いと思う。
留守がちな母が自分をモデルとして写真を撮ってくれることに
はじめは嬉しかった娘のエヴァですが、徐々に母の要求はエスカレートし、
自分は娼婦みたいと葛藤し、次第に不安定になっていくエヴァ。
成長すれば、周りの子どもたちや写真を観た大人たちからどう思われているのか
悩むのは当然だし、拒否しても母さんはなかなか聞き入れてくれないし、
結果虐待と判断されても仕方ない。

この映画の制作と前後して、エヴァはイリナに対してヌード撮影などの損害賠償と
写真の返却を求める裁判をおこし勝訴しました。
映画も母イリナを自分勝手な母としてだけ描いているわけではなく、
エヴァの中で一つのケリをつけたのではないかと思えます。
映画の中でエヴァを演じたアナマリア・ヴァルトロメイが文句ない美少女!
アンティークっぽいレースのドレス(すぐ母に脱いでって言われちゃうけど)に
ウェーブのかかったブロンドのこの少女はまさにお人形です。
母を演じたイザベル・ユペールもすごく素敵だったし、ドニ・ラヴァンもいいよ~!
と、ものすごく充実した1本でした。
ちなみに、この映画、日本での公開にあたって児童ポルノにあたるとかで
引っかかったらしいですけど、え、どこが?とわたしは思いました。
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